お知らせ

2013.05.13 研修医

日本受精着床学会第9回ART生涯研修コース 参加報告(杉本公平講師)

日本受精着床学会 第9回ART 生涯研修コース
日時:2013年3月10日

会場:ベルサール九段
テーマ:卵子の老化で患者が直面するもの
 
●卵子の老化について考える
老化卵子救済の為の卵細胞質提供
田中 温先生(セントマザー産婦人科医院)
 
● 抗酸化機能欠損マウスを利用した卵子の酸化ストレスと老化の研究
木村 直子先生(山形大学大学院農学研究科動物機能調節学分野)
 
●卵子でミトコンドリアが注目される理由
佐藤 英介先生(鈴鹿医療科学大学薬学部)
 
ランチョンセミナー 共催:神和メディカル株式会社
●反復ART 不成功患者に対する全胚盤胞ガラス化保存法の有効性の研究と10 年間の周産期予後からのその安全性の確認
岡 親弘先生(東京HART クリニック)
 
●生殖医療と遺伝子診断
PGD の適応と新たな技術
末岡 浩先生(慶應義塾大学医学部産婦人科学教室)
 
 ●PGD/PGS を取り巻く倫理
片桐 由起子先生(東邦大学医学部産科婦人科学講座)
 
●生殖医療における遺伝子診断:世界の行方
井田 憲司先生(IDA クリニック)
 
●妊婦末梢血診断がめざすもの
左合 治彦先生(国立成育医療研究センター周産期センター)







今回のART生涯研修コースは現在社会の関心を非常に集めている「卵子の老化」と「生殖医療と遺伝子診断」という二つのテーマについて論じられている者であった。卵子細胞質の劣化(特にチューブリン)による染色体不分離に対して「卵細胞質提供」という方法をセントマザーの田中温先生が以前論議を呼んだ細胞質注入、核置換などの歴史から論じていただいた。手法としては二前核を提供された核を除いた細胞の囲卵腔内に注入するだけという簡単な方法であるらしいが、残念ながらせっかく準備されていた動画が動かなかった。木村直子先生、佐藤英介先生が基礎の方面から卵巣に起こる炎症反応と活性酸素による細胞質内の劣化について説明していただいた。
「生殖医療と遺伝子診断」では新たな技術についての説明もさることながら、倫理面や情報提供のあり方についてどの先生も熱を入れられてお話になられていた。特に遺伝カウンセリングの重要性について慶応大学の末岡浩先生、成育医療研究センターの左合治彦先生がわかりやすくかつ熱く語られていた。我々の先輩である左合先生がとりをつとめたのは慈恵医大産婦人科の一員として誇らしく思えた。そして、我々生殖班が現在取り組んでいるテーマである「不妊治療の終結とカウンセリング」、「卵子老化の知識を性教育で伝える」といった情報提供の在り方を問うものが現在の生殖医療の中で必要とされているものであることが確信できた。

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