AIKOU’s voice

2025.06.30

朝カンファレンス

おはようございます。いつも世界の女性と子供達を幸せにするために頑張って頂き、ありがとうございます。
本日は岡本教授に代わり、末光が担当させていただきます。

 私はちょうど一年前、この慈恵の産婦人科に中途入局という形で加わらせていただきました。中途入局というキャリアはやや特殊であり、最初は自分の立ち位置や過ごし方に迷うこともありました。

そんな中で私が自分に課してきたのは、「まずは信頼されること、そして信頼できる関係性を築くこと」でした。ここで一つ紹介したいのが、「信頼構築性理論」という考え方です。

この理論によれば、信頼は以下の3つの要素から成り立つとされています:

1能力:その人に任せられる技量や実力があるかどうか

2誠実性:約束を守り、言行一致しているかどうか

3関係性:相手の利益や成長を本気で考えているかどうか

私はこの1年、与えられた仕事を確実にこなすことで「能力」を、日々の小さな約束を丁寧に守ることで「誠実性」を、そして、同僚や後輩の頑張りを本気で応援する姿勢を通じて「関係性」を、少しずつ築いてきたつもりです。

特に3つ目の「関係性」は、個人と個人のつながりを超えて、“信頼できる組織そのもの”をつくる基盤になります。こうした関係の中でこそ、人は安心して挑戦でき、成長していけるのだと感じています。

 さて、ここで最近の出来事を一つご報告させていただきます。先日の6月末、産婦人科学会では新しい理事会キャビネットが発足し、私は未来委員会を卒業することになりました。

市中出身である私が当初若手委員として活動し、その後未来委員を務め、結果として長く関わることになるとは想像もしていませんでした。7年間の活動の中で、信頼できる仲間たちと挑戦を重ねたことで多くの経験をしました。委員会発足当初300名台だった新規専攻医は、ここ数年は500名程度にまで増加いたしました。

「挑戦なくして成功なし」という言葉がありますが、その一方で、挑戦には常に失敗のリスクがつきものです。そして私たちは時に、失敗を恐れて一歩を踏み出すことをためらってしまうことがあります。

しかし、信頼できる仲間や組織があるならば、挑戦に伴う失敗はマイナスではなく、ゼロにとどめることができると思うのです。むしろ、挑戦することで加点が発生し、それが積み上がり、人生の、そして組織の糧になっていきます。

挑戦を繰り返すことで個人はより強くなり、結果として組織の安定性、いわゆるレジリエンスが高まります。挑戦を支える側もまた、任せるという関係性を意識し、結果として健全で強い組織につながるのだと思います。

未来委員での経験を振り返ると、最初から明確なゴールが見えていたわけではありません。「今、できることを一所懸命に」を積み重ねてきた結果、未来が後からついてきたのだと思っています。

「未来は今である」という言葉があります。誰が言ったのかは知りませんが、私はこの言葉がとても好きです。まさに、今この瞬間を大切に挑戦することでしか、未来に繋がれないのだと思います。

 慈恵の医局には、研究、臨床、教育、そして家庭と、それぞれの場所で挑戦をされている先生方がたくさんいらっしゃいます。これこそが慈恵の医局の底力であり、組織としての強さの源泉だと思っています。

私自身も、その一端を担えるように、これからも挑戦を続けていきたいと思います。最後に、若手もベテランも、今日という日は誰にとっても「人生で一番若い日」です。皆でまた一日、挑戦を重ねてまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

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