AIKOU’s voice

2025.04.28

朝カンファレンス

 おはようございます。いつも世界の女性と子供たちの幸せのため、御尽力頂きありがとうございます。本日のボイスは矢内原が担当いたします。

 先日、日産婦理事長主催の記者懇談会に参加してきました。この懇談会はメディアを対象とした勉強会であり、会の内容を記事にしてもらうことを目的とするものではありません。
産婦人科に関する諸問題は、生殖倫理に代表されるように、報道される機会が多いことはご存知であると思います。今回は、日本医師会総合政策研究機構の主任研究の先生より、「諸外国の妊娠・出産に関する公的医療保障制度の適用について〜日本の正常分娩保険適用化の検討において〜」という内容の講演を拝聴しましたので、その一部を紹介します。

 日本の合計特殊出生率は1.3と、比較された先進国10か国内では韓国についで2番目に低く、減少傾向にあります。日本の周産期医療の特徴としては、妊産婦死亡率や周産期死亡率がともに低く安全性が高いこと、および有床診療所での出産が多いことが挙げられます。また、帝王切開率や硬膜外麻酔併用率が諸外国に比べて低いことが特徴であり、一方で妊婦の平均年齢や低出生体重児の割合が高いことが知られています。アメリカを除くすべての対象国が産前から産後までの周産期医療に対して、公的医療保障適用としており、いずれも現物給付という形をとっています。また多くの国で妊娠・出産に関する医療給付は自己負担免除や保険料免除等の対象とされ手厚い給付となっています。今回の検討を通して、今後、日本において妊娠出産費用の保険適用化を論じる際には、日本と同様に社会保険方式の公的医療保障制度を持ち、医療保険の枠の中で出産に特化した形で手厚い出産保険を設けているフランスなどを参考にして、これまで日本で提供されてきた質の高い周産期医療を保ちつつ、他の疾患への医療保険との整合性をはかりながら議論していく必要があるとまとめられていました。

2026年度からの導入が検討されている正常分娩の保険化については、今後も日産婦からの情報を早めに提供できるようにしたいと考えております。ゴールデンウィークが始まりますが、今週も患者さんにやさしく、また安全な医療を提供できるように頑張っていきましょう。

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