AIKOU’s voice

2024.07.29

朝カンファレンス

 おはようございます。いつも世界の女性と子どもたちの幸福のためにご尽力いただき、誠にありがとうございます。本日は岡本教授に代わり、末光がご挨拶申し上げます。

 私は、卒業後15年目となる今年の4月に当講座へ入局いたしました。これまでのキャリアにおいて大切にして参りましたのは、ずばり「人とのつながり」です。入局に際しご支援いただいた佐村教授や長谷川先生とのご縁も、その一つです。

私の人とのつながりにおいて、日本産科婦人科学会での委員会活動は大きな糧となっています。若手委員・未来委員として、全国の産婦人科専攻医のリクルート活動に6年間従事しました。本日はその活動から得た知見をお話しいたします。

 委員会ではリクルート活動を中心に、新規専攻医の増加を目指して多数のイベントを企画・運営しております。メインイベントであるサマースクールの運営に長く携わる中で感じた変化は、コンテンツが高度化したこと、そして新規専攻医の男女比が変化し、女性が6割に達したことです。

以前のコンテンツは、分娩体験や婦人科症例検討など、比較的単純な内容でしたが、近年ではロボットシミュレーターを用いた企画など、より高度な医療を体験できるようになっています。実際の診療においても、手術に関連する新規医療技術が発展しています。産科領域でのハイリスク症例の増加、生殖医療や女性医学に対する患者数や社会的ニーズも増加しており、産婦人科医師の働き方は非常に多様化していると感じます。

また、イベントチューター(参加者を指導する医師)における女性の割合も2018年には28%だったものが、2023年には44%にまで変化してきました。さらに、若手委員でも女性の活躍の場が広がり、各企画のリーダーを務めたり、若手委員長が輩出されたりしています。年々、男女が共に活躍する基盤が整ってきていると感じます。診療現場を支える人、家族を支える人、男女を問わず多様な働き方を受け入れることが、組織に求められています。

人のために働くことは容易ではありません。それぞれの組織・個人には、それぞれの正義があります。私もどう働くべきかの答えを模索していますが、2024年3月に開催したスプリングフォーラムで出会った言葉にヒントがありました。それは「パワーパートナー」という考え方です。皆さんはご存知でしょうか。「相手の成功や幸福が自分の成功や幸福である」という考え方で、家庭やパートナー、さらには仕事の場面においても広く応用できるものです。皆さんの中で、誰か思い浮かぶ方はいますか?

相手のために、自分のために、無理せず自然に振る舞える環境は得られるものと考えます。慈恵の医局には多くの女性医師が在籍しており、医局員の中には産休・育休を取得される先生も多くいらっしゃいます。また、アカデミックな場で研鑽し、活躍されている先生も多くいらっしゃいます。様々な医師がキャリアプランについて互いに考え、支え合う中で、真の相互援助の解が見つかるかもしれないと感じています。

私も、慈恵産婦人科の「パワーパートナー」として、医局の継続と発展に少しでも貢献できるよう努めてまいります。

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