AIKOU’s voice

2024.07.01

朝カンファレンス

 おはようございます。本日は教授に代わり、本院当直決め係の松井が担当させていただきます。いつもご協力ありがとうございます。
 一昨日行われた同窓会研修会の懇親会でレジデント教育の指導者の表彰がありました。

長尾先生おめでとうございます。そしていつも率先して教育を頑張ってくれてありがとう。
私が慈恵医大産婦人科に入局して15年間が経ちました。せっかくの機会だと思い、私の若い頃を振り返り、医局の教育環境について思うことを話させていただこうと思います。
 歴史を遡ること20年前、私が初めて産婦人科医局を訪ねたのはおそらく大学4年生のころだったかと思います。同期入局の井上先生、鳴井先生と共にアメフト部の先輩である岡本先生に産婦人科学の勉強方法についてアドバイスをもらいにいったことが初めての訪問でした。5年生でも同様に勉強方法についてご指導いただき、岡本先生は想像以上に丁寧な指導をしてくださいました。それに恩義を感じ、6年生で1ヶ月の選択実習を選ばせていただきました。

そのとき竹中先生や上出先生、今でも外勤でお世話になっている土橋先生がレジデントの1、2年目にいて、公私共に光り輝いているレジデント生活を送っている先輩方に憧れました。

その実習中に妊婦とその家族と医療者の出産に対する様々な想いに触れることができ、妊娠・分娩に魅力を感じ産婦人科に入局を決めました。
第三病院での初期研修では学年的には10個くらい上の斎藤先生や上田先生から昼も夜も直接指導していただける恵まれた環境でした。
レジデントになったあとも、梅原先生が成育で慈恵のレジデントが働きやすいよう環境整備してくださったり、現在はがんセンター東にいらっしゃる田部先生が周産期志望の私を癌会議に連れて行ってくださったり、JGOGの臨床研究のデータ集積を横につきっきりで1から全て教えてくださったり、田部先生が異動する際はご自身の癌患者をレジデント2年目の私に引き継いでくださったり、存分に婦人科を教えていただき学ぶことができました。本院婦人科外来では、隣のブースが岡本先生だったので、超音波の所見の確認や方針の相談までいつも面倒をみてもらっていましたし、岡本先生の患者さんへの丁寧な対応を隣でひっそり聴きながら勉強することができました。
こうして先輩方の熱心な教育魂のお陰で充実した研修医、レジデント生活を送ることが出来ました。恵まれた労働・教育環境であると自覚していたため、この頃からこの恵まれた環境を今度は私が後輩に創り出すことが医局への恩返しになるのだろうと思っていました。
 現在慈恵医大産婦人科医局ではJSEGメンバーが頑張って、より良い教育環境を目指し活動してくれています。しかし、研修医やレジデントの期間は産婦人科の知識を学ぶだけでなく、理想の医師像を構築するための大切な期間でもあると思っています。これに関しては、日頃一緒に仕事をしている指導者の医療に対する姿勢が大きく影響してくると考えます。
私は学生・研修医の頃から公私共に憧れる先輩がいて、その先輩方から直接指導していただき、その先輩の患者対応を見ることができました。そうして今の自分の医療に対する向き合い方があるのだなと思い感謝しています。

ですから今は逆に私の対応一つ一つが、それを見た学生や研修医やレジデントの先生方の、将来どのような医師を目指すのかに関わってくるのだと自覚しなければなりません。ですから、後輩の先生方にちゃんと素敵な先輩だと思ってもらえるように、これからも手を抜かず真摯に診療に向かっていきたいと思います。

この医局には様々なタイプの医師がいます。不安が強い患者への対応の仕方や治療が予想と異なってうまくいっていない患者への寄り添い方も多種多様だと思います。若い先生方は是非いろんな先生の対応を見比べて自分の理想を考えてみてください。必ず将来自分の財産になるはずです。お手本となる先輩がいて、さぼらないようにプレッシャーをかけてくれる後輩の存在があって、楽しいときがほとんどですが、辛いときに支えてくれる同級生がいることが大学医局の魅力です。

ここで働けて幸せだと思える慈恵医大産婦人科医局を目指して今週もがんばっていきましょう。

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