AIKOU’s voice

2020.10.26

朝カンファレンス

皆さん、おはようございます。毎日、患者さんのために、産婦人科講座のために、そして世界の女性と子供を幸せにするために頑張ってくださり心より感謝申し上げます。

 先週は山形大学の永瀬教授に「卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020」についてご講演を賜りました。ガイドライン作成に長年携われて、現在ガイドライン委員長を務められていらっしゃるのでとてもわかりやすくそして説得力のあるお話で皆さんも勉強になったのではないでしょうか。ガイドラインの作成にはシステマティックレビュー、推奨文章の作成、そしてvotingなど様々な作業がありますが、今回の講演でいかに多くの委員が時間と労力をかけながら携わっているかがよく分かったと思います。特にこの領域に関しては、治療法が凄まじいスピードで変遷していきますので、アップデートな改定も必要です。われわれはガイドラインを熟読し、理解し、そして常に新しく正しい情報を取り入れながら今後の方向性を予想していかないといけないのです。これは当然ながら産科編、婦人科外来編、ホルモン補充療法領域などにも言えることです。意外にも生殖領域のガイドラインがまだないのですが、不妊治療が保険でという流れもあることですし、近い将来に生殖領域でもガイドラインが作成されるかもしれませんね。ガイドラインはとても重要でありますが、ガイドラインに書いてあるからということでイージーな方向へ流れてはいけません。例えば進行卵巣癌の手術で系統的リンパ節郭清は省略できるという推奨だからといってまだ省略していいというエビデンスのない明細胞癌もリンパ節郭清はしなくてもいいということはないのです。ガイドラインはルール、マニュアルとは違い、義務ではありません。また、ガイダンスとも違い初心者への手引きでもありません。繰り返しになりますが、われわれは新しく正しい情報を常に入れながらガイドラインを熟読、理解、そして今後の方向性も予想していかないといけないのです。

それでは今週もよろしくお願いします。

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