AIKOU’s voice

2013.11.04

朝カンファレンス

皆さんおはようございます。毎日本当に一生懸命働いていただいてありがとうございます。先週は第52回日本臨床細胞学会秋期大会(11月2日~3日)がありまして、多くの先生が発表されました。私は残念ながら会議のため2人の発表しか聞くことができなかったのですが、他の先生方も立派に発表されたとうかがっております。
 会期中、色々なセミナーがあったのですが、その中で大阪府立成人病センターの呼吸器内科の先生の肺がんの最新の治療に関するセミナーが、非常に興味深かったです。肺がんでは、遺伝子診断をして、それに従って最適な治療を選択していくというガイドラインが作成されています。いくつかの病院では遺伝子診断が同じ病院内で迅速に次の日には結果が出て、その日から治療が始められるといったようなシステムができつつあるということで、今後多くの機関でそのような方向性になってくると思います。
 思い起こせば、私がp53の研究をしていたのが約25年前になりますけれども、当時はRb,c-erbB2/HER2/neuなどの遺伝子も注目され、今後は遺伝子診断・遺伝子治療になっていくだろうと言われていましたが、結局その後ぱっとしないままでした。その後、今から15年くらい前にマイクロアレイといったような包括的なゲノムの解析ですとか、包括的な遺伝子発現の解析という技術が開発され、癌化、進展・転移に多くのパスウェイが関与していることがわかってきました。それと同時にそれをターゲットとした分子標的治療薬が開発されたわけですね。ですから肺がんにしても、small cell lung cancer、squamous cell carcinomaがあり、それ以外のAdenocarcinomaに関してはEGFR変異、ALKの転座といったDriver遺伝子の異常があれば、Driver阻害薬による治療が行われております。さらには耐性のできたものに対して第2世代、第3世代の分子標的治療薬がすでにできているわけですね。肺がんに比べると婦人科がんは、ようやくアバスチンが保険で認められたという段階でまだまだ遅れていますけれども、これから必ずそういう方向になっていくことは間違いないので、院内でも遺伝子診断の結果が迅速に出てすぐ治療ができるという体制を整えていかないといけないと強く感じました。それは腫瘍だけではありません。周産期に関してもNIPTが当院でもこれから導入されますけれども、診断だけでなくダウン症候群の治療という観点からも研究を進めていかないといけないと思います。先日Nature誌に出ていましたけれども、X染色体のひとつを不活化するXIST遺伝子が同定されました。それはダウン症候群患者の細胞から作ったiPS細胞の研究の成果です。さらには、ダウン症候群の患者さんならびにその周りをとりまく人たちのQOLを上げられるかということで、エーザイのアルツハイマー型認知症薬の臨床試験も行われております。これからは周産期・生殖の方でも診断そして治療に関し、遺伝子診断で診断し、分子標的治療薬で治療を行っていくということがどんどん現実になっていくと思います。少し固い話になりましたけれども、そのことを自覚しながら皆さんにはぜひ教育・臨床・研究をしていただきたいと思います。以上です。今週もよろしくお願い致します。

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